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慶は黙って聞いてくれた。
まだ15歳の慶には重過ぎる話だ
引かれると思った。
それでも仕方ないって思った。
どうせ私は皆を不幸にしただけだと…。
だけど…
『絶対俺が幸せにする』
そう言って慶は私を抱きしめた。
目を見開いたまま何も考えられなかった。
幸せに…するって…
こんな話聞いて、まだ傍に居てくれるの?
涙が止まらなかった。
「ありがとう…」
それしか言えなかった。
言葉で伝えられなかった。
このときの慶の言葉がどれだけ嬉しかったか。
どれだけ温かかったか。
そして私は一人じゃないって思えたか。
伝えたかったけど、言葉にならなかった。
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