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 女子生徒は鋭い眼をぼくに向けたまま口を開く。 「残念だけど、魂胆バレバレ。別の場所で死ぬ気でしょう。だから、こうするね」  金属質な音。同時に、ぼくの右手首に冷たい鉄の感触。今掴んでいる柵のものとは違う。視線を降ろして自分の手首を見ると、頑丈そうな手錠がぼくの右手首と柵をしっかりと繋いでいた。 「ちょ、何だこれ……」  やっぱり警察だったのか。柵にもたれて夜景を見ている時から誰かに見られてて、自殺しそうだってことで通報されたのか。ああ……最悪の状況じゃないか。捕まってしまったら最後、恐らく自殺できないように生活に制限をかけられながら、施設に押し込まれるんだろう。 「押し込まないよ。心配しなくても」  ぼくの心を読むかのようなタイミングでの彼女の言葉に、目を見開いてしまう。 「君、何者なんだ」  このぼくの言葉を聞いた彼女は、口角を吊り上げる。待ってましたといわんばかりの表情。 「誰だか分かる?」 「分からないから聞いてるんだよ」 「知っているはずだよ」 「ぼくに女子高生の知り合いはいない。知っているわけがないだろう。人違いだ」  ぼくの反論に興味が無いようかのに振る舞う彼女は悪戯っぽく笑う。
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