~ エピローグ ~

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「怜治くん・・・コレ、見て。」 「・・・ん?」 差し出された携帯には、嵐のような「お父さん」の文字の羅列が・・・ あの人・・・いったい、あゆに何回電話を掛けて来たんだ? 「私・・・マナーモードにしてたの、すっかり忘れてた。」 そう言って、項垂れる彼女の頭を優しく撫でながら、後ろからそっと抱きしめる。 「お父さん・・・何て言ってた?」 「ん?ああ、今度の日曜日、みんなで食事に行こう、って。あゆにも伝えておくように言われた。」 「ごめんね、怜治くん・・・私が電話に気づいていれば、面倒をかけなくて済んだのに。」 「いいよ、べつに。どのみち、親父さんには言わなきゃいけないと思ってたから。」 「うん。」 サラサラとオレの指を通り抜ける髪が、いつになく心地良い。 「・・・あゆ。」 「・・・ん?」 「フフッ・・・何でもない。」 思わず「愛してる」って口に出しそうになったけど・・・それを言うのは、全ての難関を突破してからにしよう。 そう思いながら・・・ゆっくりと彼女の唇を塞いだ。
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