生徒×先生

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好きな人にフラれる、という現実から逃避していた俺は、令ちゃんの声で現実に引き戻される。 「今の、本当ですか……?」 拒絶の言葉で無かったことに、ひとまず安心し、令ちゃんの顔を見た。 ……めっちゃ睨まれてる。 思わず、背筋をピンと伸ばした。 眉間の皺が深くなる。 喉が鳴るごくりという音が、静まり返った車の中に響く。 腹くくるしかない! 頑張れ俺!! 「本当です!令ちゃん、大好きです」 すると、令ちゃんはぽろぽろと涙をこぼし始めた。 えっ、泣くほど嫌だったのか!? 焦っていると、制服の胸元が引っ張られるのを感じた。 引っ張っているのは、もちろん令ちゃん。 「…………です」 「えっ??」 「っ…!だから、俺も好きだって言ってるんです!」 嘘かと思ったものの、俺を見つめる令ちゃんの顔は、さっきよりも更に赤かった。 マジか! 喜びのあまり、令ちゃんをぎゅっと抱き締めて、叫ぶ。 「やったー。令ちゃん大好きだー!!」 「なっ!?」 令ちゃんは真っ赤な顔をして、こっちを見つめてくる。 「令ちゃん、照れてるー?可愛いなー、ほんとに。……れーいちゃん、キスさせて?」 「……させるわけ無いでっ!?……ちょっ、おい、何すっ……んぅ」 唇をそっと外して、こう告げた。 「それは却下します!!」 それから、今までさせて貰えなかった分を取り戻す為に、キスをしまくった。 ちなみに、いつも眉を潜めたり、睨み付けたりしていたのは、照れ隠しだったらしい。 the happy end.
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