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その光景を見ていた観客は一同に思ったことだろう、魔法が伯仲し拮抗することになるだろうと。
しかし、魔法とは面白いもので想像を超えてくる。
シリウスの魔法はグレンを飲み込まんとする大規模魔法であるなら、グレンの魔法は一点集中型魔法。
相反するの大きさでありながら、同じ属性であるためか融合してしまった。
これには互いに驚きを隠すことは出来なかった。
こんな現象は滅多に見ることは出来ないが、早く魔法を自分から断ち切らなければ、魔力を吸い取られつくして枯渇してしまうことだろう。
考えていることは同じ、切り離すタイミングはほぼほぼ一緒であった。
しかしここでまた予想だにしない展開が・・
普通、魔力供給源の失った魔法は自然消滅するのだが(例外有)、2人の作り出した融合魔法はその場に留まり続け、不気味に白と黒の光を発している。
そして何の前触れもなく大爆発を引き起こす!
一瞬にして2人は爆風に飲み込まれ姿を消した。
魔法壁に爆風が襲い掛かり、破壊していく。
教師が交代で修復を繰り返し何とか崩壊は免れた。
立ち込める黒い煙と砂埃、そして会場内では火の手が上がっている。
こんなヤバい状況下で2人は無事なのだろうか?
これでもし無傷であるのならもはや決着がつくことはないだろう。
流石の2人も無事ではないはずだ。
煙が晴れ、火の勢いが治まっていく。
2人の姿を探すも見つけることが出来ない、いったいどこへ行ってしまったのか?
ざわつく会場内、誰かが声を上げ2人の姿が露わになる。
ルシウスは西方向の魔法壁にもたれかかり、グレンは北方向の魔法壁にもたれかかっていた。
もたれかかっているというよりも、ずり落ちたという表現の方がいいかもしれない。
魔法壁には血がべったりとついており、2人の怪我の酷さを物語っている。
2人の姿は元に戻っており、完全に意識はないようだ。
両者戦闘不能とみなし、勝敗は引き分け、すぐに医務室へと搬入されていく。
この結果に魔法学園と聖天学園の生徒のテンションはかなり落ち込んでいる。
負けたこともショックだが、明日行われる総当たり戦での最強の魔導士の欠員は士気にも影響するであろう。
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