3047人が本棚に入れています
本棚に追加
/502ページ
そんなアルに近付き、背伸びをし、アルの頬に口づけをする。
またもやアルの思考は停止し、見る見るうちにトマトのように赤くなっていく。
「こ、こ、こういうことは、す、す、好きな人にしかしちゃいけないだぞう!」
動揺し過ぎて変な声が出てしまったアルを見て、レナは悪戯っ子のように笑い、舌を出す。
再び、アルを抱き締め、本当にありがとうと言って、レナは帰って行った。
女の子は怖いという知識がアルの辞書に刻まれたのであった。
アルが殺しかけてしまった三人だが、一命は取り留めたらしい。
しかし、全治3か月という重傷らしい。
校長の働きかけで、アルに詰め寄る教師はいなかったが、カーリーには何故か課題をたんまりとだされた。
それをするのと、校長に出された古代魔法についてレポートを書くために、図書館に次の日の放課後に行くつもりだ。
試合後、レナにちょっかいを出す生徒は消え、レナを嫌っていた女生徒たちもごめんと言ってきたらしい。
今日はとても疲れた。
それにアルカナの力がまさかあんな作用をするのも予想外だった。
この魔法には謎が多すぎる。
僕を支配していたのはいったいなんだったのか?
まるで本当の皇帝が体に乗り移ったような感覚であった。
口調も性格も自分ではなかった。
これも詳しく知る必要があるな。
アルはそのまま眠りに落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!