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翌日、アルは寝坊しそうになった。
しかし、耳元で誰かに囁かれ目を覚ます。
目を開けると、アルに馬乗りになったレナが見えた。
寝起きで何が起きているのか全く理解できていなかったアルに、レナはまたおはようと声をかける。
ガバッと体を起こし、レナと押す。
レナはアルの上から足元に尻餅をつく。
その行為がアルを窮地に立たせる。
アルの目の前に広がる純白の布、すぐ目を逸らしたが、レナにはばれてしまっていた。
「見たよね?今絶対に見たよね?」
アルは寝ぼけててよく分からないと嘘をつくが、視線を泳がせてしまっていたのですぐにばれる。
レナに詰め寄られ、頬つねられる。
「見てないって言ったら嘘になるけど、レナさんも悪いよ。急に部屋に入ってきて僕の上に乗ってるんだから。だからお相子ね」
お腹にパンチを一発頂いたアル。
朝の目覚めは最悪、でも少しいいもの見れた・・
レナと部屋から出たところをパージナイツのリーダーに見つかる。
見つかってどうこうということはないのだが、今年のリーダーは、不純異性交遊にとても厳しいことで有名であった。
規則はないが未成年が夜を共にするのが許せないらしい。
「貴様たち、この時間まで一体何をしていた?ここは男子寮だぞ、女子のお前が本来いるべき場所じゃないだろう」
え、怖い。
貴様とかお前とか口悪いな。
しかもすごい威圧感である。
「授業に遅れそうな同級生を迎えに来たのが悪いことなんですか?」
少し機嫌の悪いレナとリーダーの視線が交わり、バチバチと火花を散らす。
女性には逆らわない方がよさそうだと、身をもって知ったアルなのであった。
しばらくいがみ合っていたが、規則はありませんから!とレナが言って、アルの腕を引き教室へと歩く。
このリーダーとの出会いがアルの運命を動かしていく。
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