天翔姫

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「私が入ってしまったら、そこのが機嫌を損ねてしまって、私を後ろから攻撃しかねないのだが?」 それは大いにあり得ることであるのは否めない。 しかし、それでも入って欲しいのだ。 これから先はレナを狙われてしまえば、自分にかけてもらう補助魔法に頼ることが難しくなる。 だからレナには折れてもらいたいものだ。 競技の結果、レナが折れ、キャンディがチームに加入することになった。 明らかに納得はしていないが、アルがある条件を飲むことにより、加入が許された。 その条件とは、来週末に街へとデートと言う名目で赴くこと。 そんな事か思っている諸君、アルにはとてつもなくハードルの高い問題であるのだ。 女の子と手を繋いだこともない人間がいきなりデートをするのだ、正直よりこういった試合よりも緊張する問題だ。 この問題はひとまず置いといて、キャンディを歓迎する。 チームメイトが増え賑やかになってきたが、次は男の人が入って欲しいと、切実に思っているアルなのであった。 キャンディがアル達のチームに加入したことはすぐに学生間に広まり、教師にも広まった。 そして何故かアルはパージナイツのリーダーことアールグレイ・ナハムートに捕まり、指導室へと拉致される。 「妹に手を出したら即退学だからな。それと・・妹のこと頼んだぞ」 最後の言葉が聞き取りにくく、聞き返したら何故か睨まれた。 それ以上の追求は無意味であるし、追求したら手をあげられそうで怖い。 「手なんか出しませんよ、僕はそういうことしたことないんで。するんだったらもうしてますよ、キャンディさん、可愛いですし・・」 ガチャッと音がして、扉が開きキャンディが入ってくるのとアルがキャンディさん、可愛いですしという発言が全く同じタイミングであった。 キャンディはアールグレイに用があったようで、アルがいるのは予想外であったらしい。 アルの可愛い発言に明らかな動揺を見せ、すぐに扉を閉じいなくなってしまった。 嵐の後の静けさとはまさにこのこと。 アールグレイの視線が痛い、視線で殺されそうだ。
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