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キャンディ加入から3日後の放課後、アルとレナは運動場に呼び出されていた。
2人とも動きやすい格好で来てと言われ、運動服を着て、時間ぎりぎりに到着する。
時間指定はされていなかったが、遅い!と理不尽に怒られ、次は5分前にはついておくようにと釘を刺される。
レナは明らかに反抗心を態度で示しているが、無視されている。
何故レナもいるのかと言うと、アルとキャンディが前衛で敵に向かって行った時に、誰もレナを守ってくれなくなるからという理由。
レナの魔法は無くても困らないが、あった方が絶対によいので、防御魔法の訓練という名目で呼び出された。
「今日からアルには基礎体力の向上と私との模擬戦、レナとの模擬戦をしてもらうわ。魔法の反動に耐えられる身体づくりと、私と戦うことでの実戦練習、レナの防御する術を身につけさせる練習。この3つを行うことにする、異論はあるかしら?」
アルに異論はなかったのだが、レナがすぐに反論する。
「私の事、呼び捨てにしないでくれる?私のこと呼び捨てにしていいのはアル君だけだから。それと私はやるなんて一言も言ってないし、私のことはアル君が守ってくれるっていう約束をしているの。だから私はこの訓練に参加する義務はないわ」
呼び捨てに関しては今言うことではないような気がする。
そこは2人で話し合って欲しい所ではある。
守るという件についてはアルには何も言うことは出来ない。
約束してしまったのだから、破るわけにはいかない。
「名前の件は後で話しましょう。でも訓練に関しては言わせてもらうわ。あなた、卒業してからはどうする気?アルにずっと守ってもらうの?アルに恋人が出来てあなたを守る順位が落ちた時、あなたはそれでも自分が危険な時に絶対に守ってもらえると言い切れる?無理でしょ、普通に考えれば有り得ないわ。」
アルの隣で怒りに震えるレナ。
しかしすぐに悲しそうな表情を見せ、アルに付き合う?とか言う始末である。
こんな流れで告白されても戸惑うだけである。
レナもキャンディの言葉に納得したのか、何も言わなくなってしまった。
「これで始められるわね。まずは基礎体力づくりよ、魔法を一切使わずに体幹トレーニング、有酸素運動を計1時間やりましょう。その後10分の休憩後にアルと私が模擬戦、勿論魔法の使用はOK。その後はアルとレナの試合をするのだけれど、もしアルの体力がもたなかったら私が代わりにやるわ。質問はある?」
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