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アルは退院してからというものの授業の遅れを取り戻すための大量の課題をレナとキャンディに手伝ってもらいながらこなし、試合までに勘を取り戻すため、キャンディと組み手をしていた。
しかし病み上がりのアルに対してキャンディはまるで容赦がない。
初日はボコボコにされ、全身擦り傷と打ち身だらけになってレナのお世話になった。
5日後には怪我することなく、いい汗をかくことが出来ていた。
そんなアルは理事長室へと呼び出しをされた。
《暴走》の件について詳しく話を聞きたいそうだ。
だがここで疑問が生じる、レナやキャンディに詳しく話は聞いてるはずだし、アルが意識してやったわけではないのだから、何も説明できないことぐらい分かっているはずなのだが。
理事長室にノックせずに入り、アルは凍り付いた。
ドアを開け、目の前にいたのは母親であるティアラ・レリオン。
アルがこの世で最も恐れる人であり、苦手な人。
頭がフル回転していく、まず約束を破ったことをどう言い訳をするか?
言い訳なんかしても無駄だ、この人に口では勝てない。
そして、今僕は目立ちに目立っている、これは本当にまずいことになった。
2人は談笑していたが、アルが入ってきた途端ティアラの笑みが消え冷たい視線を向けられる。
アルは失礼しましたと言い、速攻で逃げ出そうとしたが、何故か理事長に腕を掴まれ連れ戻されてしまった。
ティアラ「久し振りねアル?元気にしてたかしら・・心配したのよ、あなたが大事件を引き起こしたって聞いた時は心臓が止まるかと思ったわ。さてと何か言わなくてはいけないことがあるわよね?」
その笑みは優しい笑みなどではない、尋問官の笑みだ。
アル「お、お母さん・・元気でしたか?僕はつい最近までベッドで寝てたんだけど、ここ5日間でなんとか体を動かせるようようになりました。そうだここ、最近変わった現象が起きてるんです、皆が勝手に膝をついたり、倒れてたり・・ハハハ。失礼します」
ティアラの表情が曇っていくのを見ていたアルは我慢できずに、理事長室のドアを蹴破り逃げたが今度はカーリー先生に阻まれてしまう。
あっさり連れ戻され、ティアラについに白状する。
ティアラはため息を深々とつき、お仕置きが必要よねと言われ拳を握り締める。
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