双子と夏休み

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「まぁ、いっか。ジュースでも」 リンゴジュースに氷を入れて普通に飲む。結局、響はあまりかき氷を食べられないままお開きになってしまう。 「あ……えと」 それを見て申し訳なさそうに右往左往する心であったが。 「いいよ、俺に悪いとか思わなくて。心が涼めば十分」 「もう。格好つけて、どうせ長続きしないくせに」 それから、ジュースとかき氷で程よく身体が冷えてきた。 しかし、暑さは衰えを知らず時間が経つと次第に冷気は失せ一時間もするとまた身体が熱くなってきた。 「暑い暑い……プール行きたい!」 一時間前と差ほど進行してない学校の宿題を放り投げる。 「プールなら混雑してたよ」 聞けばコンビニ帰りに市民プールを覗いてきたらしいが芋洗い状態でとてもじゃないが入れたものでないと言う。 「考えることはみんな一緒か……」 「宿題でもすればどうだ? 集中してれば気が紛れるだろ」 部屋の隅の方で放置されているまだまだ余白がいっぱい残っている課題を指して言う。 「あ……暑くて頭が」 課題を見るだけで思い出したようにクラっと膝をつく。 「いつも回ってないだろ」 響はもう計画的に半分以上終えているだけに心のこの有り様は流石にキツいものが感じられたようだ。 「失敬な」 ボーッと床を見ていた心は、ふと急に思い付いたように握りこぶしをポンっと手のひらの上に乗せた。 「あ、いいこと思い付いた」 「宿題をどうにかする方法は見えてないけど。どうせ響は手伝ってくれないだろうし」 「風呂をプール変わりにか、考えたな」 心が口に出さずとも響は何故か気づいたようだ。 「その通り、家にビニールプールないからね、ちょっと工夫しないと」 早速心は再び活気を取り戻し、行動を開始する。 そう言って、心がやって来た自分の家の風呂で浴槽にいっぱいの水を張り、学校のスクール水着を着てやって来た。 「心にしては頭使ったな」 「さっきから失敬な。私だって勉強はさっぱりだけど、こう言うお遊びは私の得意とする所だよ?」 心はえへんと胸を張る。 誇って良いかは微妙なところであるが、その発想には今こうして助けられた。 「お湯入れて温度調節して完成」 このままでは冷たいので、やかんで沸騰させた熱湯を注いで程よい温度に調整する。
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