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大ぶりな自動小銃や、それぞれの役割に応じた装備を持っている。
もう2つのイスには、しっかりと防水加工された灰色のトレンチコートを着て、大きな耳あてのついた帽子をかぶった将校がいた。
胸にいくつもついた勲章が、二人のそれまでの戦いを物語る。
そして腰に下げたピストルが、磨き上げられた茶色い皮のホルダーに収まっていた。
「エピコス師団長! 空に関する報告が届きました! 」
背中に大きな無線機を背負った通信兵が報告した。
エピコス師団長と呼び掛けられた将校は、ナイフのような鋭い目を向け、「ご苦労」と労った。
その青い目は、これまで幾多の敵の死を見てきた。
そして、自分ではどうしようもないもない運命も。
帽子の下からはサラサラしそうな金色の髪が少しだけ覗いている。
白い肌にはしわが刻まれ、その下には分厚い筋肉がある。
若いころはさぞ目を見張るような美青年だったであろう、壮年の男だ。
通信兵が差し出す受話器から、初老の男性らしき声がする。
『エピコス師団長! こちらはヤンフス大学気象学部の、カーゴ・カイモノブクロン教授であります。
本日は、ご利用いただき、ありがとうございます』
エピコス、ヴラフォス・エピコス中将。
この星、スイッチア星には一つの大陸しかない。
北極圏から赤道を越え、南半球の半分まで。東西では、この惑星の3分の1を占める。超大陸ヤンフス大陸。
その大陸を収める覇権国家が、チェルピェーニェ共和国連邦。略してチェ連。
エピコスはチェ連の領土である高山地帯や北極などでの戦闘を主にする、極限地師団の指令だ。
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