第1夜

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それ、一番今言われたくなかった。 松原じゃなかったら怒鳴り散らしていたかもしれない。 私が辛かったのはそれだった。 もちろん、社内の人たちの最高のゴシップネタになったのも同じもの。 つまり、私は浮気をされていたということで。 いや、今となっては私の方が2番目だったのかもしれない。 私があの人に別れを告げられたのが1ヶ月前。 それで、飲み会の席で彼が今の婚約者との馴れ初めを雄弁したときに発覚したことは半年前からだと。 正直殴り込みに行ってやろうと思った。 私の存在ってなんだったの? 確かに半年前くらいからお互い時間が合わなくてほとんど疎遠になっていたけれど。 丁度私が本社勤務から外れた時期でもあった。 それでもいつかまたやり直せると思っていた私がバカだったんだろうか。 結局私は選ばれなかった。 5年なんて歳月が全くと言っていいほど意味をなしていなかったようで。 選ばれたのは私より若くて彼に寄り添える子。 そして私は捨てられた惨めなやつというレッテルを周りから貼られることになる。
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