お得意さま

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「さて、そろそろ行こうか」 先生は宣言どおりに時間には戻ってきたものの、息つく暇もなく約束のために出発しなければならなかった。 「先生、大丈夫ですか?」 「何が?」 「お疲れじゃないんですか?」 「まだまだ平気だよ。年寄りと思ってバカにしてるな?」 「してませんよ!心配です、し・ん・ぱ・い!」 「心配されるほどの歳でもないし、若い頃はこの何倍も働いてたよ」 「だからって……」 私は小さくため息をついた。 「今日はちゃんとお昼は召し上がりました?」 「まあ、適当にな」 「……それって、しっかりお食べになってないんでしょう?ダメですよ!食事は健康づくりの基本なんです!基本!」
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