お得意さま

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「主賓……?」 私は二人には聞こえないように呟いた。 矢島さんがまっすぐに私を見つめている。 私はその視線を避けきれず、部屋に入った時のまま顔を下に向けて立ち尽くしていた。 「俺を除け者にしないでくれよ。さあ、霧島君も座らせてもらおう」 「あ、は、はい」 先生の言葉に助けられ、私は矢島さんの斜め向かいに腰を降ろした。 席に着くと、私たちは先に出されたビールでグラスを合わせた。 そして、それを合図に既に予約されていたコース料理が段取りよくテーブルに並び始めた。 その間にも矢島さんは私の瞳のその奥を見つめるように強力な視線を送ってくる。 私はその視線に一度微笑んでから手元の料理に目を落とした。
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