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「……確かにね。もう少し遅くてもいいと思うんですけど、でも一度始めてみると……あなたみたいに来てくれるお客さんがいますから」
彼は話題が変わって一呼吸置くと柔らかい笑顔を見せた。
すると、その笑顔を橋本さんがやんわり睨む。
「そんなこと言ってますけど、はっきり言って店長の身体が心配ですよ。後一時間遅くオープンさせれば、店長だって一時間多く眠れるんだから。そのうち倒れちゃいますよ?」
彼女は半分呆れたように息を漏らして言った。
「こらこら、お客さんの前でなんてこと言うんだよ」
「だって……。本当に店長が心配なんだから」
彼女は拗ねたように唇を噛んだ。
彼のことを本当に心配しているようだ。
二人の間に微妙な空気が流れたので、私は二人の間をとりなそうと明るく尋ねた。
「七時半にオープンなら……店長さんは何時から準備されてるんですか?」
「四時くらいかな?」
「よ、四時ですかっ!?」
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