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「何か心配事か?」
私は背後からの声に小さな叫びを上げた。
おまけに勢い余って手元に置いてあった紅茶入りのカップを倒してしまった。
「……先生!? いつからそこに!?」
私は坂上先生を振り向きながら慌てて布巾を取りに流しに走った。
「いつからって、さっきから。今日は入ってきても挨拶もないから機嫌でも悪いのかと思ったよ」
「すみません、気付かなくって……」
飛び出しそうになった心臓がデスクを拭きながらやっと平常に戻っていく。
「いや、いいよ。でも声を掛けられないくらい考え込んでたようだけど、何かあったのか?」
「いえ、何でもありません。ちょっと気になることがあっただけで……」
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