運命の人

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「気になること?」 「あ、いえ、先生には関係ないことで……」 「それは寂しいな」 「そういう意味じゃなくて……」 私は返答に困った。 よく考えてみると、先生どころか、私にだって関係がないことなのだ。 「……すみません。なんでもありません」 私が謝ると、先生は理解に困って鼻の頭を掻いた。 「どういうことかよくわからないけど……今日は調子でも悪いのか?」 「いえ、そうじゃないんです!」 私は胸の前で大きく手を振った。
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