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「霧島君!」
裁判所に着くと、坂上先生の方が先に到着していた。
私は先生を見つけて駆け寄った。
「遅くなってすみません」
「いや、大丈夫。まだ間に合うよ」
先生は腕時計を見て微笑んだ。
「平岡くんは……どうだった?」
先生は私が渡した書類を脇に抱えると私の表情を窺うように顔を覗き込んだ。
「どうだったって言われても……」
私は言葉に詰まった。
本当に答え様がなかったからだ。
「……驚いたって言うしか……」
「ごめん。ごめん」
先生は不思議と悪びれた様子もなく、むしろ私の反応を楽しんでいるようにさえ見えた。
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