理想の男

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「パンはあまり自分で買ったりしないから楽しみですよ。あ、でも、カレーパンは好きでたまにコンビニで買っちゃいますけどね」 彼がそう言ったので、私はたった今彼の目の前に置いたパンを見た。 彼も私の視線につられて視線を動かす。 私たちは二人で顔を見合わせ、まるで吹き出すように笑った。 「カレーパン……買ってきてくれたんですね」 「偶然なんですけど。お店の店長さんが男性で、彼の好みを聞いてみたんです。そしたらこれが好きだって。あ、それに、これがお店の一番人気らしいんです」 「へえ。そんなに美味しいんですね」 「たぶん……だから一番人気なんでしょうね」 「たぶん……?」
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