彼氏-2

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「弓子に聞いてもらってよかった。ホントだよ。ホントに……よかった。ありがとね」 弓子は鼻から息を漏らして笑った。 「ならよかった。じゃ、これラストにして帰ろっか。明日も仕事だし」 「うん」 私たちはグラスに半分も残っていないビールで今夜最後の乾杯をした。 帰り道、 私は事務所の前を通り、パン屋の横の路地を抜けた。 もちろん、店には人気もなければパンの香りもしていない。 真っ暗に静まり返った店を振り返り私は彼の笑顔を思い出す。 そして、身体の向きを変えて先程よりも歩調を早めた。 なんだか朝が…… 待ち遠しくなった。
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