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私は覚悟を決めた。
ここは正直に話して謝るしかなさそうだった。
「矢島専務、すみません……」
私が口を開いた時だった。
矢島専務を挟んでその先にいた平岡さんがまるでその続きを口にするように話し始めた。
「おっしゃるとおり、霧島と付き合っていますが、そのことが何か問題でしょうか?」
「……平岡さん!?」
私の方へ向いていた矢島専務は振り返って彼を見た。
「いや、全然」
矢島専務は不敵に笑った。
「坂上先生と同業って聞いてたから俺もどうかと思ったけど、見たところ……まだまだ見習いの新米弁護士って感じだし、まだ俺にも分があるってわかってよかったよ」
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