322人が本棚に入れています
本棚に追加
私はゆっくりと首を傾げた。
彼の言葉の意味がわかりそうではっきりとした正解には辿り着けない。
「誰にだってそれくらいの嘘をつくことはあるよ。もちろん、僕だって。あ、さっき、新しい嘘をついちゃったしね」
「それは……私がつかせちゃったからで、本当にごめんなさい」
私が謝ると平岡さんは笑った。
「ごめん、謝って欲しいんじゃないから」
今度は苦笑いを浮かべた。
ものわかりの悪い私に呆れたのだろうか。
彼はそうだと言わんばかりに説明を付け加えた。
「もしも、僕と霧島さんが本当に付き合ったら……君が負い目を感じることもないよね?」
最初のコメントを投稿しよう!