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私が彼女と話す間に平岡さんが待っているのに気付き、振り返って彼からトレイとトングを受け取ると、彼を店の奥へ促した。
「何にしますか?」
「霧島さんは?」
「私は……」
本当なら、今日はカツサンドが食べたかった。
けれど、サンドイッチコーナーは調理場のすぐそばにあるので否が応でも調理場に顔を向けることになる。
彼がどんな顔で私たちを見ているのか気になりながらそれを知ることは怖かった。
手早くパンを選んですぐにでも店を出たかった。
私は調理場に背を向けるように陣取り、正面の棚でハムとチーズの白パンと抹茶の生地に大粒の黒豆が練り込まれた黒豆パンを選んだ。
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