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二人は壁際にある大きなオーブンを指差し、細い覗き窓から二人で中を覗き込んだ。
私は二人の後姿から目を逸らした。
「霧島さん、これいい?」
私は平岡さんの声にハッとしながら彼が言ったソースたっぷりのカツサンドをトングで掴んだ。
鼻をくすぐるソースの匂いを吸い込みながら、
……私もこれにすればよかった。
と、心の中でポツリと呟いた。
彼はもう一つその横の野菜サンドも指したので、それを取ろうとすると身体を屈めると、急に背後から呼びかけられた。
「霧島さん」
呼ばれたのは私で、呼んだ声には馴染みがない。
疑問に思いながら振り返るとそこには思いがけない人物が立っていた。
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