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「君は……資格持ってるの?」
矢島さんは平岡さんを流し目で見つめた。
「資格と言いますと、弁護士の、でしょうか?」
矢島さんが頷くので平岡さんは「はい」と返事をした。
初対面の二人の間に漂う異質な空気に私は困惑した。
平岡さんもそれを感じたのか、
「先に精算済ましとくよ」と、私の手からトレイを受け取りカウンターへ向かった。
すると、彼の背中を追っていた矢島さんの視線が私に向いた。
「もしかして、この間言ってた『彼氏』って、彼のこと? 君の彼、弁護士なんでしょ?」
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