彼氏-2

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私の顔が強張る。 先程から彼とまっすぐに目を合せられないのは、彼の強烈な目力を避けるためだけではなく、前回嘘をついてしまった後ろめたさも重なっていた。 前回の彼との食事の時…… 私は嘘をついてしまったのだ。 あの時は坂上先生も少し酔っていたせいか一緒に話を盛り上げてしまい、あたかも本当のことであるかのように話が出来上がってしまったのだ。 しかし、私にとって今問題なのはそこではなかった。 ここで…… この話はしたくなかった。 「あの、矢島専務ももし事務所に寄っていただけるなら一緒にいかがですか? ここのパン、おすすめなんですけど」 「ありがとう。霧島さんのおすすめならぜひとも、とは思うんだけど、昼飯も食べちゃったし、三人で食べてもね……」 彼の視線は再び平岡さんをとらえた。
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