結婚相手

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私が店のすぐ裏まで行くと、スズメが数羽飛び立った。 私と彼は同時にそれを目で追った。 「パン屑があるのか、よく寄ってくるんですよ」 「……そうなんですか。賢いですね、スズメ」 「ですね。カラスはもっと賢いですよ。このゴミを狙ってますからね」 彼は手にしていたゴミ袋をダストボックスに押し込みながら笑った。 私もそれにつられて笑い、彼に尋ねた。 「店長さんは……お掃除ですか?」 「あ、いえ。ちょっとだけサボりです」 店長さんから意外な言葉が出たとは思ったが、もちろん冗談だ。 「霧島さん、こっちに入ってください。濡れますよ」 彼は裏口にある小さなひさしに私を入れてくれた。
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