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「あ……」
私は慌てて傘を閉じた。
「すみません……」
私の傘から垂れた雨の滴が彼の肩を濡らしてしまった。
私は傘を脇に置くとハンカチで彼の肩を拭いた。
「あ、大丈夫ですから」
「いえ、すみません、冷たいですよね?」
彼の肩から顔を上げると彼と目が合った。
それほど長身ではない彼の目と私の目の距離は15センチほどの至近距離だ。
「すみませんっ」
二人で同時に後ずさると今度は二人ともひさしからはみ出しそうになる。
そして、また二人で中央に身体を移動させた。
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