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「ごめんて……何が?」
「だから……探すのは結婚相手、なんて言ってさ」
私は首を横に振った。
「ううん。私もあの後自分で考えたの。弓子の言ってることも当然だって。弓子の意見は正論だよ。この歳になればなおさら」
弓子は私の言葉に小さく笑った後、眉を下げた。
「まあそうかもしれないけど。
ホントは私……美織のことが羨ましくなっちゃってさ」
「羨ましい? 私が?」
「そう」
「どこが? 弓子なんて結婚まで決まったのに」
すると、彼女はそこでため息をついた。
「結婚が……決まったからかな」
「……どういうこと?」
「結婚するって決まったら、ホントにこのまま結婚していいのかな……って思っちゃったりしてさ」
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