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「……弓子?」
彼女からの突然の告白に私は戸惑わずにはいられなかった。
「あ、ああ、違うから。結婚したくないとか、そういうんじゃないの。彼のことももちろん好きだしちゃんと結婚もする」
私はそれだけ聞くととりあえず安堵した。
「でもさ……」
弓子は言いかけて天井を見上げた。
「結婚したらもう恋なんて出来なくなるじゃない?
私、面倒だし、本当に恋はいいやって思ってたから、今までいろんな出会いがあったのに、いつもその人の肩書とか条件とかばっかりに目がいって、ちゃんとその人を見てこなかったなぁと思って。
そしたら、もっと違う出会いがあったのかもしれないと思うと……少し、後悔っていうかさ……」
弓子の言いたいことは何となくわかった。
これがいわゆるマリッジブルーなのだろうか。
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