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「その方が君に効率よく教えられるって言うからね」
坂上先生が彼を援護するように補足した。
「そうですか……」
突然のことにぼんやりと返事をするその間にも、平岡さんは一人でせっせと動いてよけていた荷物をすべてデスクの上に元どおりに整えた。
そして、移動させたばかりの自分の席に腰を降ろした。
「霧島さん、今日からとなり、よろしくね」
彼の満面の笑みが私を振り向く。
「こちらこそ……よろしくお願いします」
突然の席替えと彼の笑顔に戸惑いながら、私も彼のとなりの席で自分の椅子を引いた。
けれど、私は思いとどまり、そこに腰を降ろす前にコーヒーを淹れるために流しに向かった。
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