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コーヒーを淹れると、いつもとは異なった動線で坂上先生の次に平岡さんにコーヒーを出す。
最後に自分の分を持って席に着くと、私のデスクの位置は変わっていないのに、まるで自分の席ではないみたいな違和感を覚えた。
「すぐに慣れるよ」
隣の彼はその違和感でさえ何でもないことのように笑った。
この席に慣れるのにはまだしばらく時間がかかりそうだが、彼の計らいによって彼に気軽に質問が出来るようになったのも事実だった。
「そこはこっちの資料にあるから重複して記載しなくていいんだよ」
彼が隣から私のデスクトップを覗き込む。
「あ、はい。ありがとうございます」
おかげで彼が隣にいる間、私の作業はほとんど止まることなく進めることができた。
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