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「ごめん、ちょっと身体がだるくって……」
私はベッドに寄り掛かって弓子に断りの電話をしていた。
急に食欲がなくなり、出掛ける気分でもなくなってしまったからだ。
私から誘った手前、メールだけで断ることは憚られた。
『だるいって……大丈夫なの?』
「うん、たいしたことないから……。横になってれば大丈夫だと思う」
『夕飯は?』
「食欲ないから……」
『そっか、ならしょうがないけど。また、行こうね』
弓子は本当にがっかりしたのかため息を交えて言った。
弓子の声色に罪悪感が込み上げる。
「ごめん、弓子。私から誘っておいて。帰りに……」
私が言い掛けると、急いた弓子が続きを尋ねる。
「帰りに? 帰りに……何?」
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