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「……そのままでも美味しいけど、私はクリームチーズと合わせて食べてるよ」
私は弓子の視線をかわすようにパンの説明をしながら彼女の前に冷えた麦茶を出した。
弓子はパンをテーブルに置き、代わりに麦茶のグラスを手に取った。
そして、麦茶を喉を鳴らして飲むと私をじっと見つめた。
「なーんだ、元気なんじゃないのよ」
彼女は安堵なのか呆れたのか大きなため息をついた。
私は思わず目を逸らした。
「着替えもしないでふてくされてるのはこのパンのせい?」
弓子はもう一度食パンの袋を引き寄せ膝に置いた。
「別に……ふてくされてなんかないし」
「でも、私との食事を断るくらいダメージはあったってことか……」
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