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「この前の彼女、君の友達だっけ? 彼女は結構現実的な感じだったと思うけど」
彼が言っているのは弓子のことだ。
「確かに……彼女は現実的だし、最初は全然理解してもらえませんでしたけど」
「まあ、そうかもしれないよね。僕もよくわからないよ」
「……そうですか?」
「普通はそうじゃないかな」
「でも、弓子……その友達は今は応援してくれてます」
「彼女だって友達がどうしてもって言うなら、応援せざるを得ないよ、きっと。それが本意じゃなくてもさ」
「そんなこと……ないと思いますけど」
「俺にはわからない。名前も知らない相手を好きになるなんて」
彼は再びグラスに口をつけ、首を横に振った。
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