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すると、橋本さんがふいに俺を見た。
そして、俺の心の中を見透かしたかのように言った。
「何か……私たちにはわからない世界ですよね」
彼女はまるで同意を求めるように苦笑いを浮かべた。
そして、俺の返事が遅れると、彼女は返事を待たずに今度は愉快そうに笑った。
「でも……彼女にも私たちの世界はわからないんでしょうけどね」
俺は彼女たちに背を向けて、フライヤーの中のカレーパンを見つめた。
すっかり揚がったカレーパンを慌てて取り出したが
表面は理想のきつね色を通り過ぎて
少し焦げてしまっていた。
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