【パン屋の憂鬱】「プロローグ」

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夜も遅くて朝も早い。 そんな生活をもうどれくらい続けているんだろう。 それが辛くなる時もあるが、 この道を選んでしまったのだから簡単にやめることもできない。 夕べも新作を考えあぐねているうちに、つい夜更ししてしまった。 おかげでいつもよりも睡眠時間が一時間半も少ない。 眠ったと思ったらすぐに目覚まし時計が鳴ってしまった。 そのせいで今日は瞼が重い。 こんな日は、パン生地をこねていても眠気が襲ってくる。 まあ…… 珍しいことではないけれど。 けれど、 一日のうちで一回。 そんな眠気までもを吹き飛ばす瞬間がある。
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