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しかし、そんな投げやりにも近い考えをしている俺に、
思いがけないことが起こり始めた。
あの日から彼女が俺を『店長』と認識してくれたことで、
思いがけず彼女との会話が増えたのだ。
例えばそう、
彼女が通勤に店の裏の通路を使っていることも幸いして
そこで行き会う度に彼女と話せるようになったんだ。
「あ、店長さん、おはようございます」
『店長さん』……
名前ではないにしても、彼女が俺を呼んでくれるようになったのだ。
あの夜もそうだった。
あの日、彼女が店の裏を通り抜けたのはいつもよりも随分と遅い時間帯だった。
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