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すると、そこに宮田さんが口を挟んだ。
「橋本さん、それは……言わない方がいいんじゃない?」
「どうして?」
橋本さんは聞き返し、俺は何も言わずに宮田さんを見た。
「だって……本当にそうかもわからないし、本当だったとしても……それは店長が彼女本人から聞くべきじゃない?」
彼女らしい意見に俺も小さく頷いた。
「……俺も賛成。そうそう、周りの勝手な思い込みでこんなこと言われちゃ彼女も気の毒だよ」
今度は俺の言葉に宮田さんが頷く。
橋本さんはまだ少し納得がいかないのか黙っていた。
「彼女が俺を好きなんて、ないと思うな。だいたい……彼女とは今日初めて話したんだから」
彼女は店の常連だ。
それ以下でもそれ以上でもない。
すると、今度は橋本さんと宮田さんから同じ視線が向けられた。
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