昔の彼女

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「店長、それは間違ってますよ」 二人は同じように呆れた表情で俺を見た。 「話したことなんてなくたって、好きになりますよ」 彼女の言葉に俺は一瞬手が止まりそうになった。 なぜかその先をもっと聞いてみたくなる。 「そういう……ものかな?」 「そういうものです。だから一目惚れなんて言葉があるんじゃないですか」 橋本さんが薄らと俺を睨むように言った。 すると、それを補足するように宮田さんが説明した。 「そうですね。一目惚れ……ってこともありますけど、例えば毎日見かけるだけの人を好きになる……ってこともありますよね?」 「……え?」
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