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……毎日……見かけるだけの人……
「店長もそういう経験ないんですか?」
俺の目が手元でもどこでもないところへ一瞬揺らいだ。
「どうかな……」
俺が小さく洩らすと宮田さんは続けた。
「ほら、例えば、毎日電車を待つ間に反対側のホームで見かける先輩……とか。美術室の窓からこっそり見てる……サッカー部の幼馴染とか」
彼女の例えが自分が思っていたものと少し路線が違っていたので、俺は首を傾げた。
「宮田さん、例えが若すぎるんですけど」
橋本さんが思わずつっこむ。
「あ、やっぱり? でもなんか思い出してたら懐かしくなってきちゃってさ……。純粋だったなぁ、あの頃」
彼女は天井を見上げて自分の思い出に浸りかけていた。
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