昔の彼女

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発端は、 俺が何気なく聞いた一言だった。 「早起きとか大丈夫?」 本当に、何気ないものだった。 「全然、無理。私が朝苦手だって知ってるくせに」 彼女は笑った。 何でもないことのように。 『じゃあ、早朝からの仕事は難しいか』 俺はそんな冗談を言うつもりだったんだ。 そしたら、彼女の口から思ってもみない言葉が飛び出して来た。 「―――くんのお嫁さんになる人は、大変だよね」
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