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この時になると、もう俺はほとんど混乱していた。
最初は遠回しに聞いていたものの、
わけがわからなくなって、真っ先に確かめたことだけが口を突いて出た。
すると、彼女は微笑んだ。
「もちろん、好きだよ」
彼女の答えは再び俺を混乱させる。
俺だって、彼女の答えは最初からわかっていた。
それは日頃の彼女の態度から滲み出ていたし、好きでもない相手と一年半も一緒になどいないだろうから。
でも、彼女はいつも俺に向ける飾らない笑顔を
この時、少し曇らせたんだ。
嫌な予感がした時にはもう遅かった。
俺は引き金を引いてしまったんだ。
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