昔の彼女

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新作に取り組んで早一ヶ月。 俺が本当に作りたい新作はまだ完成していない。 その間にも毎月月初めに出す新作は他のスタッフの協力のもと、何とか完成し、発売もしていた。 彼女は相変わらず、毎日のように店にやってくる。 彼女の顔が店内に入らないうちから笑顔であることは、 ガラス越しに何度も目撃していて知っていた。 俺は彼女がガラスの向こうに見えるとすぐに 少しかしこまる準備をする。 そして、今日もやって来た。 ガラスの向こうの彼女は口を動かし、何やら独り言を言っているようにも思えた。 「いらっしゃいませ」 そして、いつもの手順で彼女を迎え入れた。
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