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ただ好きになって、
一緒にいられればそれでよかった……
それで十分じゃないか。
その他に何があるんだ？
結婚ていうのは、その延長線上にあるんじゃないだろうか。
「それじゃあ……ダメなの？」
俺は彼女に尋ねた。
すると、彼女は首を振る。
「……ダメ」
そして、小さく笑った。
「女って、結婚に憧れは持ってても、それがどんな結婚でもいいってわけじゃないの。みんな自分の理想を持ってて、知らず知らずのうちに、その理想を叶えてくれる人を相手に選んでるんじゃないかな……好きになるのは簡単だけど、結婚は簡単じゃない。もっと考えなきゃ……」
俺は彼女があまりにも流暢に話すのをまるで他人事のように聞いていた。
そして、彼女は俺を見た後、視線をずらした。
「『好きな人』＝『結婚相手』とは……限らないと思うな」
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