261人が本棚に入れています
本棚に追加
俺には返す言葉がなかった。
この時、彼女は
俺の意見なんて求めていなかった。
たとえ俺が何かを言ったとしても、
彼女はもう決めているんだ。
「そっか……」
俺は他人事のように呟いていた。
二人の将来をほのめかした一言が、
結果的には別れ話にまでなってしまった。
それでも俺は最後の悪あがきとでも言うんだろうか。
いや、賭けと言ってもいいかもしれない。
最後に言わずにはいられなかった。
「でも、俺は好きだけどな」
最初のコメントを投稿しよう!