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俺はいつだったか、この経験を宮田さんにポロリとこぼしたことがあった。
聞いて欲しかったのが半分と、もう半分は女性としての意見を聞いてみたかったからだ。
好きな人と結婚相手。
彼女のように、女は誰もが別物としてとらえているのか気になった。
もちろん、そんなはずないとわかっていたが、
確証のようなものが欲しかった。
「そんなの人それぞれですよー」
宮田さんは笑った。
「でも、店長、彼女と店長は合わなかったのかも。私、彼女の言うように店長にはもっといい人が現れると思いますけどね」
彼女が言うと、あの時薄っぺらに聞こえた台詞も嫌味なく、逆に元気付けられる。
そして、彼女は何かを思い出したように付け足したんだ。
「……あ。もう……現れてるかもしれませんけどね」と。
そして、いたずらっぽく笑って
「ちなみに……私は好きな人と結婚したいですけどね」と自分の意見を教えてくれた。
「……俺も。やっぱそれがいい」
俺も心の中で呟いていた。
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