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厨房に戻り、その位置からフロアを見渡すと、霧島さんは冷蔵コーナーでパンを一つ取り、レジに並んだ。
そして、その後ろに華奢な常連さんが並んだ。
霧島さんはいつものように宮田さんと言葉を交わしながら精算を始める。
二人のやり取りは俺の耳までは届かないが、俺はいつも通り淡い期待を抱いていた。
彼女は精算途中か、もしくは代金を支払い終えると俺の方へ顔を向けてくれるからだ。
少しそわそわしながら他のスタッフにはばれないように店内を見渡すフリをして彼女を見ていると、
その瞬間がやって来た。
彼女と……目が合う。
けれど、彼女はそんな実感がないままにすぐに目を逸らしてしまった。
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