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あの日、
彼女が彼と食事に行ったのかどうかはわからない。
そんなことを気にしだしたらきりがないんだ。
あの日に限らず、二人はいつでもそういうことが出来るのだから。
彼は随分と若いが弁護士なんだろうか。
弁護士か……。
彼がそうであるかないにしろ、スーツにネクタイ、黒縁眼鏡……。
そんな彼が彼女のとなりに並ぶと
嫌でも絵になってしまうんだ。
できればそんな絵、見たくはない。
だけど、
そんな風に考え事をしているときに限って……
そういう状況に陥ったりするもんなんだ。
もうすぐ二時……。
表に意識が向きかけた時、タイミングを見計らったかのように店のドアが開いた。
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